命名・翻意
名前をつけて欲しいとのことだったので、3日ほど考えた。考え抜いた。奇をてらわず男らしく優しい名前を考え伝えた。一応画数も気にしつつ。
そしたら後は何もすることがなくなった。実はこの時、産みの親側にまだ迷いがあって翻意(意見を変えること)の可能性があった。なので、赤ちゃんを迎える準備もまだしないでくれと言われていた。
長かった。待つうちに予定日を過ぎ、産まれていた。
この間には、仲介事業者・実母家族・病院のケースワーカー・児童相談所の担当者間で幾度も話合いがもたれていた。この子をどうするかだけでなく、この後実母がどのように生きていくのかということまで考えての話合いだったと聞いている。
仲介事業者からは不安定な状態で待たせてしまって申し訳ないと何度も言われたが、そこまで多くの関係者が集まりしっかりと議論を重ねてくれていることが有り難かった。
待たされてるという感覚は無かったが、ただただ私たちは何も出来ないということに焦れていた。